カーテンとブラインドはどちらも人気が高く、ご家庭でも多く使用されている窓周り品です。
それ故に、どちらを窓に取り付けるか、悩まれている方も多いのではないでしょうか?
カーテンとブラインドはそれぞれ違った魅力があります。
メリットやデメリットを知ることは、最適な窓周り品選びの一助となるでしょう。
本記事では窓装飾プランナーが、カーテンとブラインドの違いと選ぶポイントを解説いたします。
カーテンとブラインドの違い
まずは、カーテンとブラインドの違いについて解説いたします。
■カーテン■
カーテンレールなどに布を吊り下げて使用する窓周り品です。
「窓に取り付けるもの」と言えば、カーテンをイメージされる方が多いのではないでしょうか。
カーテンレールにフックを吊り下げて使用します。
■ブラインド■
ブラインドは均一に並んだ羽根の角度を変えることで、日差しをコントロールできる窓周りアイテムのことです。
横向きの羽根(スラット)が使われたブラインドを『(ベネシャン)ブラインド』、縦向きの羽根(ルーバー)が使われたブラインドを『バーチカルブラインド』と言います。
直線的なデザインは、カーテンとは違ったモダンな雰囲気が魅力です。
※こちら記事では、横向きのブラインドとカーテンについて解説いたします。
カーテンとブラインドの簡単なスペック比較については、こちらの表をご参照ください。
カーテン | ブラインド | |
雰囲気 | ドレープがあり、華やかで高級感がある。 |
均一に羽根が並んだメカニックな雰囲気。 |
遮光性 | 遮光度合を幅広く選べる。隙間が少なく比較的遮光性が高い。 | 日差しのコントロールが得意だが、光漏れが発生する。 |
断熱性 | 厚手のものは遮光性が高い。遮熱断熱生地もある。 | カーテンより低い。遮熱素材も販売されている。 |
サイズ | 製作可能サイズは幅広い。オーダー・既製あり。 | カーテンより製作可能サイズの幅は少なめ。 |
操作性 | 横向き(左右)に開閉する。大きな窓でも開閉操作が容易。 | 上下に開閉する。幅の狭い窓でも開閉しやすい。 |
設置 | カーテンレールが必要。窓枠内・窓枠上側に設置。たたみ代が側部にできる。 | ネジ留め・レール付け・つっぱりなど様々。たたみ代が横にできる。 |
掃除 | ハンディモップや掃除機で汚れを落とす。洗濯できるものも多い。 | ハンディモップや専用クリーナーで拭き取る。水洗いできるものもある。 |
次の章からは、カーテンとブラインドそれぞれの特徴についてさらに詳しく解説いたします。
カーテンの特徴
カーテンは身近な窓周り品のためご存知の方も多いと思いますが、ブラインドと比較するために、改めてカーテンの特徴についてご紹介致します。
カーテンのメリット
カーテンの織りなす美しいドレープは暮らしに上質感と華やかさを与えてくれます。
そんなカーテンの主なメリットは以下の4つです。
遮光性・防音性など機能性が高い
カーテンは窓をしっかりと覆うことができるため、遮光性や防音性が高いです。
遮光カーテンや防音カーテンをお選びいただくことで、カーテンの機能性をさらに高めることができます。
カーテンの光漏れが気になるときは、リターン付きカーテンレールや、遮光性の高いカーテンボックスを活用すると良いでしょう。
幅の広い窓にも使いやすい
操作性の高さもカーテンの魅力のひとつ。
横向きに開閉するため、大きな窓でも軽い力で操作することができます。
軽い力で簡単に操作できるため、出入りの多い掃き出し窓でもストレスなく開閉可能です。
デザインや色が豊富
カーテンは日本で最も普及率の高い窓周り品。
そのため、デザインや色が豊富にあります。
ご自宅のインテリアに合わせてぴったりのデザインを追求できることも、カーテンならではのメリットでしょう。
耐久性が高い
カーテンはメカニックな部分が少ないため、故障が少なく耐久性が高いです。
また、紐もないためお子様やペットのいるご家庭でも安心してご使用いただけます。
カーテンのデメリット
一方で、カーテンにはデメリットもあります。
部屋に圧迫感が出やすい
カーテンのドレープは狭い窓に圧迫感を与えてしまうことがあります。
カーテンのヒダは前面に飛びだしているため、窓のすぐそばにテレビや棚などの家具を置くと圧迫感が出やすいです。
水気や湿気に弱い
カーテンは布製品のため、水や湿気が苦手です。
濡れた状態で放置したり、湿度が高い環境で使用し続けたりすると、カビが発生することがあります。
幅の狭い窓には不向き
カーテンは左右の端に向かって開きます。
幅の狭い小窓に設置すると、カーテンのたたみ代が野暮ったく見えてしまうかもしれません。
ブラインドの特徴
均一に羽根が並んだブラインドは、窓辺をすっきりと演出してくれます。
また、外からの視線を遮りながら風や光を取り込める機能性の高さも魅力です。
こちらの章ではブラインドのメリットとデメリットについて解説いたします。
ブラインドのメリットデメリットについては、下記の記事でも詳しく紹介しておりますので、よろしければご参照ください。
ブラインドのメリット
ブラインドには以下のようなメリットがあります。
外からの視線が気になる窓や、日差しを細かく調整したい場所に最適です。
日差しの量を調節しやすい
ブラインドは羽根の向きを調節することで、日差しの量を自由にコントロールできます。
目隠ししながら調光・換気が可能
ブラインドの羽根は、外からの視線を遮るのにも役立ちます。
目隠しをしながら、日光を取り入れたり、風を取り入れることが可能です。
直線的ですっきりとしたデザイン
羽根が均一に並んだスタイリッシュなデザインも、ブラインドならではの魅力です。
シンプルなお部屋、モダンなインテリアと相性が良いでしょう。
水回り・キッチンに使いやすい
アルミ素材を使用したブラインドは耐水性の高さも魅力。
カーテンに比べてカビなどの心配が少ないことから、キッチンなどの水回りに使用しやすいです。
ブラインドのデメリット
ブラインドにもデメリットはあります。
掃除が大変
ブラインドは連なっている羽根1枚1枚に埃が溜まりやすいため、拭き掃除をしなければなりません。
専用クリーナーを使用する、ハンディモップを使用するなど掃除が楽になる工夫を施しましょう。
操作に手間がかかる
コードや紐を使って操作するブラインドは、カーテンよりも操作に手間がかかります。
特に大きな窓や頻繁に開け閉めする窓は、開閉操作が億劫に感じられるかもしれません。
遮蔽性はやや低め
また、ブラインドはカーテンに比べて遮蔽性に劣ります。
コードを通すためについている羽根の穴や、羽根同士にある隙間から光が漏れてしまいやすいためです。
室内を真っ暗にしておきたい場合など、高い遮光性を求める窓にはあまり向いていないかもしれません。
風にあおられると音が発生する
ブラインドは風に煽られて窓枠や壁ぶつかると、「ガシャン!」と大きな音が発生することがあります。
窓を開けているときはスクリーンを上げるか、羽根の角度を水平に近い状態にする必要があるでしょう。
ブラインドの揺れを抑えるホルダーや、音を軽減する専用品なども販売されているのでご活用ください。
たたみ代ができる
ブラインドは羽根を上げると上部にたたみ代ができることもデメリットです。
窓枠内に設置すると、窓の一部が覆われてしまうためご注意ください。
ブラインドを窓枠上部の高い位置に設置することで、たたみ代が窓に干渉するのを防ぐことができます。
また、丈が長くなるほどたたみ代も大きくなります。
大きな窓にブラインドを設置したいときは、たたみ代についても考慮しましょう。
カーテンとブラインドはどちらがおすすめ?部屋別の選び方
カーテンやブラインドをはじめとした窓周り品のことを、インテリア用語でウィンドウトリートメントと言います。
数多のウィンドウトリートメントからご自身にあったものを選ぶのはとても大変な作業です。
ウィンドウトリートメントをお選びいただくときに大切なのは『必要なもの』を見極めること。
部屋での過ごし方と窓周りの環境に合ったウィンドウトリートメントを設置することで、暮らしをより豊かで快適にすることができるでしょう。
ここでは窓の種類・お部屋別に、カーテンとブラインドのどちらが適しているのかご紹介いたします。
出入りの多い掃き出し窓
出入りの多い掃き出し窓には、開閉操作のしやすいカーテンがおすすめです。
ブラインドは上下に開閉するため、掃き出し窓サイズだと開閉操作が重くなります。
一方、カーテンは左右に開閉するため開閉の操作が非常にスムーズです。
出入りの多い掃き出し窓にどうしてもブラインドを設置したいときは、ブラインドを分割して設置することをご検討ください。
頻繁に出入りする部分を分割しておくと、ブラインドでも比較的操作がしやすくなります。
小窓
小窓、特に幅の狭い窓にはカーテンよりもブラインドがおすすめです。
横向きに開閉するカーテンは、小窓に設置するとも開閉にもたつくことがあります。
また、ヒダのあるカーテンをつけることで、小窓がやや重たい印象になってしまうかもしれません。
ブラインドは直線的なデザインですので、小窓のコンパクトな印象を損ねることなく設置できます。
カーテンレールのない小窓に取り付けできることも、ブラインドのメリットと言えるでしょう。
リビング
リビングは家主の好みが大きく反映される場所です。
インテリアのテイストに合わせて、どちらの窓周り品にするかお選びいただくのが良いでしょう。
窓辺をスタイリッシュにと魅せたい方は、ブラインドをお選びください。
ブラインドはモダン、シンプルなどすっきりしたお部屋や、インダストリアルインテリアのように無機質な素材を使用するインテリアと相性が良いです。
ナチュラルな雰囲気がお好きな方は、ウッドブラインドもおすすめでしょう。
カーテンはふんわりと柔らかな雰囲気が魅力。
デザインが豊富なため、基本的にどんなインテリアとも合わせやすいです。
どちらにするか迷ったときは、カーテンをお選びいただくと良いでしょう。
書斎
書斎もまた、個人の趣味嗜好がインテリアに大きく反映される場所です。
作業机のすぐ前に小窓がある場合は、ブラインドがおすすめです。
ヒダがなく窓枠内にも設置可能なため、PCや作業机にも干渉しません。
また、羽根の角度を変えることで、手元の明るさを調節できるのもブラインドならではのメリットでしょう。
書斎に置かれている本を紫外線から守りたいときは、UVカット付きのレースカーテンがおすすめです。
日差しがモニターや画面に反射してしまうときは、遮光機能付きのカーテンをお選びください。
リモートワークなどで書斎にいる時間が長いときは、遮熱断熱機能付きのカーテンをお選びいただくと光熱費を節約できます。
インテリアのテイストと、書斎での過ごし方に合わせてお選びいただくと良いでしょう。
キッチン
キッチンは水や火を扱うため、安全性や清潔に使用できるかを考慮しながら選ぶ必要があります。
布製品は引火しやすいため、コンロ周りでは燃え難いアルミ素材を使用したブラインドがおすすめです。
また、アルミ素材は耐水性も高くシンク周辺でも安心してお使いいただけます。
寝室
寝室はプライバシーを守りながら、ゆったりと心身を休めたい場所。
明け方も室内を暗くしておきたい方は、完全遮光や一級遮光のカーテンがおすすめです。
カーテンを天井から床に向けてダイナミックに取り付けることで、遮光性を高めラグジュアリー空間を演出することができます。
カーテンファブリックの優しい風合いが、寝室に心地よさや安らぎを与えてくれます。
子ども部屋
ブラインドはカーテンに比べると操作が難しく、操作用のコードや紐がついています。
子ども部屋の窓周りアイテムを決めるときは、お子様の年齢や性格に合わせて選ぶことが大切です。
お子様の年齢が小さいと、ブラインドの操作ができない可能性があります。
また、いたずら好きのお子様だと、コードや紐で遊んで首や身体に巻き付いてしまうなどトラブルにも発展するかもしれません。
安全性に考慮するのであれば、開閉操作しやすいカーテンが無難でしょう。
お子様の年齢が大きく、子ども部屋を勉強部屋として活用するのであれば、PCや勉強机に差し込む日差しをコントロールしやすいブラインドもおすすめです。
本記事のまとめ
本記事では、カーテンとブラインドの違いや選び方について解説いたしました。
カーテンは遮光性や防音性が高く、大きな窓でも安全に開閉しやすいです。
ブラインドは水に強くすっきりとした見た目で、小窓や水回りにもお使いいただけます。
それぞれに違った個性があるため、メリットやデメリットについて知った上でお選びいただくことが大切です。
窓周辺の環境や、お部屋の過ごし方に合わせて窓周り品を選び、窓辺を美しく快適に演出しましょう。