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ウールカーペット・ラグのお手入れ方法

ウールカーペット・ラグのお手入れ方法

天然素材のウールのカーペット・ラグは正しくお使いいただければ、10~30年以上長くご愛用いただけます。

しかし、洗えないウールラグのお手入れは、大変なイメージをお持ちの方も多いのではないでしょうか。

ウールは元々、汚れが付きにくい素材なので、適切なお手入れをすれば快適にご利用いただけます。

本記事ではウールカーペット・ラグのお手入れについて詳しく解説いたします。

ウールラグの特徴

ウールのラグとナチュラルインテリア

ウールは主に牧羊から作られる動物性の天然繊維です。何千年も前からあり人々の暮らしに寄り添ってきました。

ウールラグの特徴はその機能性の高さ。夏は床の熱を遮断してくれてさらっと涼しく、冬は保温性に優れて温かいのでオールシーズンご利用いただけます。

機能も豊富なので、ラグやカーペットに人気の素材です。

■ウールラグの特徴■

  • 断熱性、保温性
  • 調湿性
  • 防汚性
  • 撥水性
  • 燃えにくい

ウールには「クリンプ」と呼ばれる、羊毛繊維の天然な縮れがあり、これが空気の層を作って遮熱性、保温性を高めています。

また、ウール繊維自体が呼吸するかのように湿度を吸収・放湿する「調湿性」に優れています。夏場でもさらっとした肌触りなのはそのためです。

カットパイルのウールカーペット『ゲラン』

ウールは、水分や窒素をウールは多く含んでいます。その為燃えにくく、防炎効果もあるのです。

これらのような機能力の高さから、ウール素材は敷物として何千年という長い歴史があります。

「ウールラグのメリット・デメリット」について詳しくお知りになりたい方はこちらをご覧ください。

ウールラグが汚れにくい理由

ギャッベから発生する遊び毛

ウールラグは防汚性、撥水性が高い特徴があります。
これは、羊毛の天然油「ラノリン」が繊維の表面を覆いバリア機能として、水分や油分をブロックしているからです。

また、ウールラグからは「遊び毛」といって、ワタボコリのようなものが出ます。
意外にも思われるかもしれませんが、その遊び毛がラグに付着した汚れを排出しているのです。

遊び毛があるからこそ、ウールは汚れにくく美しい状態を保つことができています。

ウールカーペットのお手入れ方法

グレーのウールラグとナチュラルインテリア

ウールのカーペット・ラグの基本のお手入れ方法は掃除機掛けです。

ウールカーペット・ラグはもともと汚れが付きにくい素材なので、お手入れは意外にもとてもシンプルです。

この章では、正しい掃除機の掛け方から、ダニの繁殖やにおい対策にもなる、拭き掃除や風通し、陰干しなどのお手入れ方法もご紹介いたします。

【週1~2回】掃除機掛け

ウールラグを掃除機掛けする女性

週に1~2回しっかりと掃除機を掛けることで、ホコリや食べかす、髪の毛、皮脂などを取り除くことができます。

掃除機掛けのポイントはこちらです。

■掃除機掛けのポイント■

  • 週に1~2回掃除機を掛ける
  • 掃除機の回転ブラシはオフにする
  • 1㎡あたり20秒で、ゆっくりしたスピードで掛ける
  • カーペットの毛足と逆方向に掛ける
  • カーペットを擦らない様に優しく掛ける
  • 数か月に1度はカーペットの裏側も掃除機掛を掛ける

 1㎡あたり20秒でゆっくり掛ける

カーペットに掃除機を掛けている様子

ゆっくり掃除機を掛けることで何度も擦らずに済みます。

掃除機を掛ける際には、掃除機の回転ブラシをオフにしてください。回転ブラシを使用してしまうと毛足が切れてしまったり、傷んでしまう原因になります。

毛足とは逆方向で掃除機を掛ける

カーペットの掃除機のかけ方

掃除機を掛けるポイントは、ゆっくり毛足とは逆方向に掃除機を掛けることです。逆目に掛けることで、毛足に挟まってしまったホコリや髪の毛なども取り除くことができます。

掃除機掛けをしっかり行えば、ダニの繁殖を抑えることもでき、ラグを虫食いから守ることもできます。

また、毛足を立ち上げることができ、ウールラグのふんわりとした風合いを維持できるのでおすすめです。

【月1~2回】拭き掃除

ラグを掃除する

汚れが付きにくいウールカーペット・ラグですが、月に1~2回に拭き掃除を行うことで耐久性や美しさを保つことができます。

■拭き掃除の手順■

  1. 水に濡らして固く絞ったタオルでポンポンと叩くように優しく拭く
  2. 乾いたタオルで毛並みを立てるようにして完全に水分を取る

まず最初は、毛並みに沿って優しくラグ全面を拭いていきます。その際にゴシゴシ擦ると毛足を痛めてしまうので、ポンポンと優しく叩くように拭いていきましょう。

次に乾いたタオルで水分をしっかり取っていきます。水分がラグに残ってしまうと、カビや臭いの原因になるので完全に拭き取るようにしましょう。
拭き取る際には、倒れた毛並みを立たせるようにしましょう。

ウールラグのお手入れで裏面に風を送っている

扇風機やサーキュレータを使用すると、早くしっかりと乾かせます。
この方法は、湿度の高い梅雨時期でも手軽にしっかり湿気対策ができるのでおすすめです。

【月1~2回】風通し

カーペットの湿気を逃す方法

調湿性に優れているウールカーペット・ラグも、裏面は常に床と接しているので湿気がこもりやすいです。
月に1~2回はラグの裏に風通しを行いましょう。

■風通しの方法■

  1. カーペットの表面を中折にして、裏面に空気が当たるように半分折にする
  2. 半日を目安に交互に風通しを行う

扇風機やサーキュレーターを使用すれば、効率的に風通しをすることができます。
また早く効率的に風通しを行いたい際は、カーペットの間に小さな椅子や台を入れると裏面全体に空気が通りやすくなるなるのでおすすめです。

【年1~2回】陰干し

ラグを日陰干しでお手入れする様子

年に1~2回はカーペット・ラグを起こして陰干しにすることをおすすめしています。

ラグの裏側から軽く叩いてホコリやゴミを出します。敷物の湿気は裏面から抜けていくので、裏面を外向きにして陰干ししましょう。
ウールは紫外線を浴びると変色(黄変)することがあるので、必ず直射日光の当たらない場所に干してください。

大きいカーペットやラグは、干すのが大変な場合もあります。その際は、半分ずつめくって風を通してあげるだけで大丈夫です。

陰干しするのに合わせて、カーペットと接している床も掃除機掛けや拭き掃除をするとより快適に過ごせます。

ウールラグの汚れ落とし方法

ケチャップで汚れたカーペット

水洗いができないウールラグに汚れを付けてしまったら、心配になられると思います。

ウールは撥水効果が高いので液体の汚れの場合は染み込まずしばらく留まってくれるので、吸い取ることができます。

手では取りにくい、ねばねばした粘着性の高いもの(ケチャップやヨーグルトなど)は、スプーンやフォークを使って取り除いた後に汚れを落としていきましょう。

■ウールラグの汚れ落とし方法■

  1. 汚れを吸い取る
  2. タオルで水拭きする
  3. ぬるま湯で汚れを浮かせて取る
  4. 中性洗剤(ウール対応可)を使用する
  5. 汚れが落ちたら乾いたタオルで拭く

汚れを落とす際は素早く処置をすることが大切です。

カーペットについた汚れを落とす

水で濡らして固く絞ったタオルを用意して汚れを取り除きましょう。
汚れのシミができたらそこにぬるま湯を垂らして浮かせて取ります。

汚れが落ちたら、最後は乾いたタオルでしっかり水気を取って乾かしましょう。

時間が経ってしまった汚れや、上記の方法でも汚れが落ちない場合は無理して落とそうとせず、クリーニング店にご相談されることをおすすめいたします。

「カーペットのシミ抜き方法」についてお知りになりたい方はこちらをご覧ください。

ウールのお手入れに関するQ&A

この章では、天然素材のウールに関するお手入れのご質問にお答えします。

気になる遊び毛や臭い、ダニ対策についてもお答えいたします。ぜひお手入れのご参考になさってください。

遊び毛の対処法は?

ウールラグに掃除機を掛けて出た遊び毛

ウールラグはその特性上、日常的に遊び毛が多く出ます。
(上記の画像は、新品のカーペットに掃除機を掛けて一度に出た遊び毛の様子です。)

カーペットのパイルを均等に揃える製作工程がある為、購入直後は特に多くの遊び毛が出ます。

遊び毛の対処法は、掃除機をこまめに掛けることです。

また、遊び毛を早く取り除きたいという思いから、掃除機を強くラグに押し付けたり、粘着ローラーの使用は避けましょう。
摩擦で表面の毛足が傷んでしまう恐れがあり、それによりさらに遊び毛が出てしまいます。

ラグの使用頻度にもよりますが、半年~1年程度で落ち着きます。

遊び毛は欠陥品ではないので、ウールラグの日々の変化もぜひお楽しみください。

ウールラグの臭いの原因と対処法は?

エアコンのスイッチを入れる様子

ウールラグは調湿効果もあるので、湿気の多い時期に湿気を吸い吐き出しています。その際に臭いも出してしまうことがあります。

これは、お部屋の湿度も高くなっているサインです。エアコンや除湿器などを使用してお部屋の状態を整えることをおすすめします。
また、ラグ・カーペットを風通し、陰干しすることも、湿気対策に非常に効果があります。定期的に行うと臭いも気にならなくなるでしょう。

湿度やお天気に関係なく臭う時は、汚れからの雑菌の繁殖が考えられます。
水拭きをして、陰干しにするなどお手入れしてみてください。

また、お部屋の湿度調整や、食べカス・ホコリなどをしっかり取り除くなど、臭いを発生させないためにも日頃のメンテナンスが大切です。

ウールラグのダニ対策は?

ウール100%のラグが3種類重なる様子

ウールは調湿効果でおおよそ60%に湿度を保つ特性があるので、ダニが発生しにくい素材です。

しかしダニは暖かい場所で湿度の高い所を好みます。日々のお手入れで、ダニの繁殖を抑える必要があります。

ダニ予防のポイントは3つで湿気・温度・エサです。

対策としては、高温多湿な梅雨時期は特にウールも湿気をためやすくなるので、風通しや除湿機能で湿気を除く工夫をすることが大切です。
また同時に室温も調整し、蒸し暑くない快適に過ごせる室温を心がけましょう。

日々のメンテナンスとして、掃除機をしっかりと掛けることも大切です。ダニのエサとなる、食べカスや髪の毛や皮脂、ホコリなどをしっかり除去しましょう。

ラグ・カーペットを清潔に保つことでダニも発生しにくくなります。

長毛・ムートンラグのお手入れ方法は?

ラグをブラッシングしてお手入れする

ウール素材で長毛・ムートンラグの場合、こまめにブラッシングされることをおすすめしています。

羊毛は使用している内に、繊維が絡まり合った自然の状態に戻ろうとします。綺麗な毛並みをキープする為には、ブラッシングすることが大切です。

ブラッシングすることで、毛足の間に挟まったホコリやゴミなどもかき出すことができます。

ブラッシングする際は、長毛・ムートンラグ専用ブラシをご利用ください。

ウールラグの保管方法は?

ウールカーペット・ラグを収納する方法

ウールラグを保管する際は、湿度に注意しつつ、型崩れしない方法で保管しましょう。
保管方法は下記の通りです。

■ウールラグの保管方法■

  1. 掃除機掛けと陰干しでしっかりゴミと湿度を取り除く
  2. 防虫剤や乾燥剤を添えてロール状に丸める
  3. 椅子や棚の上など湿度の影響を受けない場所に保管

保管する前の下準備として、ラグ・カーペットのゴミをしっかり掃除機で取り除きましょう。また陰干しにして湿気を取ります。

ロール状にすることで型崩れを防ぎます。
保管する上で、湿気が溜まりやすいクローゼットや床に直接置くのは避けた方が良いでしょう。

カーペットを保管する為に、ハトロン紙で包んでいる。

長期の場合は、カーペットをロール状に丸めて、更にハトロン紙で巻くことをおすすめしています。
そうすることで、カーペットが湿度からも守られて、防虫剤・乾燥剤の効果も高まります。

おすすめウールカーペット・ラグ

ウール100%のラグとナチュラルインテリア

カーペット・ラグの専門店であるFROM FLOOR自慢のウールラグをご紹介します。

これからウールラグをご購入する方はもちろんのこと、既にウールラグをお持ちの方もデザインや機能面など今後のご参考になさってみてください。

日本製のウールカーペット 「ウールリリー 江戸間」

ウールのカーペットとグレーのソファーが映えるナチュラルインテリア

安心の日本製のウール100%のカーペット。

毛足が詰まっているので、足ざわりが良いのはもちろんのこと、お手入れの面でもゴミやホコリ、髪の毛が入り込みにくくお手入れもしやすいカーペットです。

機能も豊富で、防音、防炎、防ダニ、床暖房・ホットカーペット対応だから、マンションにお住まいの方にもおすすめです。

オーダーカーペットなので、1cm単位でご注文いただけます。最大12畳(352×522cm)サイズまで制作可能で、円形など凹凸などの変形加工も承っております。

ニュージーランドウール「バッチャ ベージュ」

ウール100%無染色のラグとナチュラルインテリア

厳選されたニュージーランド産のウールを100%を使用し無染色で仕上げたラグ。
無染色のウールはウール本来の機能性が色濃く残っているので、保温性や弾力性を感じていただけます。

手織りで丁寧に高密度で織り上げたインドギャベ。ゴミが毛足の間に入り込みにくくお手入れもしやすいのが特徴です。

また、寝転んでも底つき感を感じないので、家族が団欒するリビングにおすすめです。

唯一無二の自然な色味と、ウール素材の良さを感じていただける一枚です。

本記事のまとめ

本記事ではウールラグ・カーペットのお手入れ方法について解説いたしました。

ウールはご自宅でクリーニングすることが可能です。

ウールカーペットは他の繊維に比べて汚れがつきにくいと言われています。
そのため、基本のお手入れは掃除機掛けで十分です。

掃除機をかけるときは、回転ブラシをオフにして優しく掃除機をかけましょう。

ウールカーペットは遊び毛が発生しますが、半年~1年程度で落ち着きます。
正しくお手入れをして、風合い豊かなウールカーペットを長くご愛用ください。

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