敷くだけでお部屋にゆとりと優しさを与えてくれる、ウールカーペット。
ウールは、天然素材だからこそ「ダニの発生は大丈夫?」と心配になる方も少なくありません。
また、ウール特有の臭いがもわっと漂ってきて、その原因や対策をお知りになりたい方もいらっしゃると思います。
今回は、ウールカーペットのダニ対策と気になる臭いの対処法を解説いたします。
これを読めば、ダニや臭いを心配せず、ウールラグをお楽しみいただけます。
ぜひご参考になさってみてください。
ダニが発生しやすい環境とは?

天然素材だから、ダニは大丈夫か?と心配になられる方もいらっしゃると思います。
まずは、ウールラグで、ダニが発生しやすい環境を見ていきましょう。
■ダニが発生しやすい環境■
- 湿度が高い(60~80%)
- 温度が高い(25度前後)
- ダニのエサが多い(食べカス・皮脂・髪の毛・埃など)
高温多湿でダニのエサがある環境では、ダニが発生してしまうので注意が必要です。
しかし実は、ウール素材のカーペットは、ダニが発生しにくい特性があります。
ウールは、調湿性に優れている天然素材で、空気中の湿気を吸って、また必要な時に出すことで室内の湿度を快適に保ってくれています。
ウールは湿度を60%前後に保ってくれるので、湿度が高くなり過ぎずダニが繁殖しにくいです。
この機能のお陰で、ウールカーペットを敷くと夏はさらっと涼しく、冬場は暖かく過ごすことができます。
ダニが発生しにくいウールですが、日頃のお手入れも大切です。ダニが発生する環境を作らないことが大切なのです。
高温多湿

ウールのカーペットで、ダニが発生する環境要因として、室温と、湿度があります。
ウールは調湿性にとても優れているので、通常であればお部屋の湿度を調整して、心地よい湿度に保ってくれます。
しかし、梅雨時期やお部屋で洗濯物を干している時、冬場の加湿器で室温が高いなど。
お部屋の室温が25度前後、湿度が60%を超えると、ダニが発生しやすくなります。
ウールラグは、ダニ予防として、お部屋の温度・湿度にも気を付けましょう。
ダニのエサが多い

ダニのエサとなる、食べカスや皮脂、髪の毛、埃などがウールカーペットに多くあると、ダニの発生を促してしまいます。
ウールカーペットは自浄作用があり、遊び毛を出すことで表面の余分な繊維や埃、髪の毛を絡めて排出してくれます。
その遊び毛も含めて、週に1~2回は掃除機をしっかり掛けることで、ダニの発生を抑制しましょう。
ウールカーペットのダニ対策とは?
ウールカーペットは、基本的に調湿性に優れているので、ダニをあまり寄せ付けない素材です。
しかし、ダニが好む条件が揃ってしまうと、繁殖してしまうきっかけになってしまいます。
ダニ対策で大切なことは、汚れを溜めない・室温・湿度に注意することです。
清潔な状態にするために、日ごろのダニ対策は、掃除機掛けです。
週1~2回の掃除機掛けを基本に、拭き掃除、風通し、陰干しなどを定期的に行ってダニを予防しましょう。
ウールカーペットの基本のお手入れはこちらです。
(週1~2回)掃除機の掛け方

ダニ対策として、掃除機を週1~2回掛けることをおすすめします。
食べカスや皮脂・髪の毛などの汚れをしっかり取り除くことが大切です。
掃除機掛けのポイントはこちらです。
■掃除機掛けのポイント■
- 週に1~2回掃除機を掛ける
- 掃除機の回転ブラシはオフにする
- 1㎡あたり20秒で、ゆっくりしたスピードで掛ける
- カーペットの毛足と逆方向に掛ける
- カーペットを擦らない様に優しく掛ける
- 数か月に1度はカーペットの裏側も掃除機掛を掛ける
掃除機は、回転ブラシをオフにしてご使用ください。
摩擦で、カーペットの毛足が傷んでしまう原因になります。

ゆっくりと優しい力で、カーペットの毛足とは逆方向で掛けましょう。そうすることで、毛足を立てながら奥に入り込んだ埃や髪の毛も取り除くことが出来ます。
掃除機掛けをしっかり行えば、ダニの繁殖を抑えることもできます。
ウールカーペット・ラグのお手入れの仕方を詳しくお知りになりたい方は、こちらをご覧ください。
(月1~2回)拭き掃除&風通し

月に1~2回は拭き掃除&風通しを行いましょう。
水に濡らし、固く絞ったタオルでカーペットの表面を優しくポンポンと叩く様に拭きます。
次に乾いたタオルで、先ほどの水分をしっかり取り除くように拭き取ります。
強い力でゴシゴシすると、毛足が傷んでしまうので要注意です。
カーペットを半分に折り曲げて、サーキュレーターや扇風機を使って風を送ると、湿度が下がりウールの調湿効果がアップするのでおすすめです。
(年1~2回)陰干し

1年に1~2回は、カーペット・ラグを日陰に干すことをおすすめします。
床とカーペットの間を空気にさらすことで、こもりがちな湿度を取ってあげましょう。
また、外で日陰干しが出来るなら、カーペットの裏側から棒などで軽く叩き、ゴミや埃を出すとダニ対策になります。

大型のカーペットで持ち上げられない場合は、半分ずつめくって、扇風機やエアコンなどで風を送ってあげるだけで大丈夫です。
日陰干しする際に、床を掃除機掛けすることもダニ対策になるので、忘れずに行いましょう。
臭いが発生しやすい環境とは?

ウール特有の臭いが発生するのは、湿度が高い環境です。
梅雨時期や室内で洗濯物を干していて湿度が高い時などです。
調湿機能のあるウール繊維が、室内の湿度を60%に保とうとして、湿度を吸ったり、吐いたりしています。
室内の湿度が60%以上になると、湿気を吐き出す際に羊毛特有の臭いも一緒に出てきてしまいます。
ウールカーペットの臭い対策

臭いが発生したら、お部屋の湿度が高くなっているサインです。
エアコンをドライモードにしたり、除湿器を使うなど、湿度を下げる工夫をしましょう。
湿度が下がると、ダニも発生しにくい環境になるので、合わせて覚えておきましょう。
湿度を調整しても臭いが気になるようでしたら、先ほどご紹介したお手入れの、カーペットの風通しや陰干しをしてみましょう。
お手入れしやすい高密度ウールカーペット3選

ウールカーペットでも、ダニ対策を考えるなら、高密度の物を選びましょう。
毛足がみっちり詰まっていると、ダニのエサとなる埃やゴミ、髪の毛などがカーペットの奥まで入り込みにくく、ダニの発生を抑制してくれます。
また、高密度のラグは掃除機かけや、拭き掃除の際もお手入れがしやすいです。
カーペット・ラグの専門店であるFROM FLOORがお届けする、ダニに強い高密度ウールカーペットをご紹介します。
『キヨラ』
手作業で丹精込めて織り上げたウール100%のインドギャッベ
『バッチャ』
ウール本来の機能や風合いをお楽しみいただける無染色ウールラグ
『ウールリリー 江戸間』
ウール100%の日本製カーペット!防ダニ、防炎、サイズオーダー可能
ウールラグの優れた機能面

カーペット・ラグの中でもウール素材は人気です。
ウールの持つ素材の素朴さや温かみはもちろんのこと、機能が充実していることもカーペットとしてウール素材が愛され続ける理由の一つです。
その機能の一部をご紹介します。
■ウールラグの機能■
- 調湿性
- 断熱性、保温性
- 撥水・防汚性
- 防火機能
- 消臭・抗菌機能 など
機能面でも充実しつつ、調湿性に優れているのでオールシーズンご利用いただけます。
また、ウールのカーペットは耐久性にも優れているので大切に使えば何十年とご愛用いただけます。
今回は、機能の中でも人気のある、調湿性、断熱性・保温性、撥水・防汚性 についてお伝えいたします。
調湿性
ウール機能の代表として、調湿性が挙げられます。
ウール繊維が余分な湿気を吸収し、湿度が低い時には水分を出すことで、室内の湿度を60%前後に保ってくれます。
雨の日や、室内の湿度が高い時には、ウール特有の臭いも発生することも。
その際は、お部屋の湿度が上がっているサインです。エアコンや除湿器で湿度を下げましょう。
断熱性・保温性
調湿性に優れているウールは、夏はさらっと涼しく、冬は暖かくご利用いただけます。
余分な湿度を吸収し、湿度が低い時は水分を空気中に出してくれるので一年中敷いて快適にご利用いただけます。
ウールラグを夏も敷いてお楽しみいただきたい方は、ぜひこちらもご覧ください。
撥水・防汚性
ウール繊維の表面には、「エピキューティクル」というキューティクルがあります。人間の髪の毛のキューティクルの様なものです。
また、羊毛特有の油「ラノリンワックス」が含まれているため、水分を弾く効果があります。
撥水効果があるので、水溶性の汚れが付きにくい効果があります。
また、ウールは調湿効果があり繊維に水分を含んでいます。
その為、静電気が起きにくいので、埃や塵が溜まりにくい特性もあります。
ウールカーペットのダニ対策Q&A
ウールカーペットのダニ対策についてのQ&Aをまとめました。
皆様の気になるダニ対策についてお答えします。
ダニが発生した時の対処法は?
ダニは約60度以上の熱で死滅します。ウールラグに有効なのが、スチームアイロンを利用して対処する方法です。
対処する前に、お手持ちのウールラグの隅で、縮みや色移りが出ないかお試しいただけると安心です。
スチームアイロンを使用してダニを対処する手順はこちらです。
■スチームアイロンを使用する手順■
- スチームアイロンをカーペットには付けず、1~2cm上からスチームを当てる。
- 一か所につき、3~5秒程、ゆっくりスチームを当てる。
- 裏面もめくってスチームを当てる。
- 乾いたタオルで水分を拭き取る。
- 完全にカーペットが乾いた後、掃除機を掛ける。
スチームアイロンで水分を与えているので、カーペットはしっかり乾燥させることが大切です。
ダニの死骸はアレルゲンですので、掃除機でしっかり取り除きましょう。
ダニが原因?遊び毛が出る時の対応法は?
ウールカーペットには、自浄作用があり表面の余分な毛を排出することで清潔に保っています。
ふわふわと綿埃の様に、カーペットの上で漂っているのが「遊び毛」です。
特に、購入したばかりのカーペットは、一回の掃除機掛けでタンクが満タンになるくらい取れます。
遊び毛が出るのは、ダニの発生とは関係がないのでご安心ください。
ウールラグ・カーペットの遊び毛に付いて詳しくお知りになりたい方は、こちらをご覧ください。
スチームクリーナーは使用して良い?
ウールラグにスチームクリーナを使用するのはおすすめできません。
ウール繊維に高熱と余分な水分で負担をかけてしまうからです。また、水分によりダニの発生やカビが生えてしまう可能性もあります。
「ウールラグを丸洗いしたい」「徹底したダニ対策をしたい」場合は、無理してご自分で処置せずに、専門のクリーニング業者にご依頼されることをおすすめします。
本記事のまとめ
本記事では、ウールカーペットのダニ・臭い対策についてお伝えしました。
ウールは元々、ダニが発生しにくい素材です。
ダニが発生しやすい環境として、以下のことが考えられます。
- 高温多湿
- 食べカスや皮脂埃などの有機物がある
ウールラグのダニを対処する方法として、掃除機掛け、水拭き、風通しなどメンテナンスを大切にしましょう。
ウールの臭いは、湿度が60%前後になると出てきます。
臭い対策として、エアコンや除湿器を使用して、お部屋を除湿すると良いです。
ウールラグを清潔に保ちつつ、居心地の良い室温と湿度を意識しましょう。
快適な毎日をお過ごしください。








