立体式の調光ロールスクリーンは、立体的なユニークな構造と、ブラインドのような優れた調光性が特徴の窓周り品です。
ファブリック生地ならではの柔らかさと、直線的でスタイリッシュな雰囲気を兼ね備えています。
世間ではまだ普及数が多くないため、使い方や遮光性、外からの見え方などが気になっている方もいるのではないでしょうか?
本記事では、窓装飾プランナーが立体調光ロールスクリーンについて詳しくご紹介いたします。
立体式調光ロールスクリーンとは?
調光ロールスクリーンとは、2枚のシースルー生地の間に不透明生地を使用した羽根(スラット)が配置された三層構造のロールスクリーンのことです。
スラットの角度を調節することで、採光量を細かくコントロールすることができます。
立体調光ロールスクリーンとはどのようなものなのか、ご紹介したいと思います。
立体調光ロールスクリーンの構造
立体式の調光ロールスクリーンが何故立体式と呼ばれているのか、生地の仕組みがどうなっているのか気になっている方も多いことでしょう。
立体調光ロールスクリーンは2枚のシースルー生地の間に、不透明の羽根(スラット)が等間隔に配置されています。
【立体調光ロールスクリーンの構造】
立体式調光ロールスクリーンは不透明生地を使用した羽根(スラット)を開くと、数cm程度の奥行きが生まれます。
この厚みのある構造こそが、立体式調光ロールスクリーンという名前の理由です。
調光方法
立体調光ロールスクリーンは基本的に遮像生地が水平方向(全開の状態)になっています。
外から日が差し込み室内を明るく彩ってくれるでしょう。
また、水平の遮像生地があることによって、室内にはボーダー柄の影が映し出されます。
立体調光ロールスクリーンは生地を一番下まで降ろすと、遮像生地の開閉操作が可能です。
遮像生地の傾きによって取り込む光の量を細かく調整できます。
遮像生地を完全に閉じると外から室内の様子は見えません。
スライド式調光ロールスクリーンとの違い
調光ロールスクリーンには、立体式の他にスライド式と呼ばれるタイプもあります。
通常、調光ロールスクリーンと言えばこのスライド式調光ロールスクリーンを示すことが多いです。
立体式とスライド式の調光ロールスクリーンにはどのような違いがあるのでしょう。
ここでは、調光ロールスクリーンの立体式とスライド式の違いについてご説明します。
【スライド式調光ロールスクリーン】
通常のロールスクリーンは、1枚の生地の中に不透明生地とシースルー生地が交互に配置されているスクリーンのことです。
2枚のボーダー柄スクリーンの重なり具合によって、採光や眺望をコントロールします。
【立体式調光ロールスクリーン】
一方、立体式調光ロールスクリーンは2枚のシースルー生地の間に、不透明なスラットが挟まっているため構造が立体的です。
スラットそのものがシースルー生地に挟まれているため、映し出されるボーダー柄もスライド式に比べて淡い印象となります。
立体式調光ロールスクリーンは、ブラインドの羽根の構造や採光方法に非常に近いです。
スライド式と立体式のロールスクリーンはどちらもシースルー生地と不透明生地を使用していますが、根本的な構造は全くの別物。
そのため、操作方法や調光方法には違いがあります。
2つの調光ロールスクリーン特徴や違いについては、下記の表をご確認ください。
■スライド式と立体式の特徴比較■
スライド式 | 立体式 | |
構造 | 不透明生地とシースルー生地が交互に配置 | 2枚のシースルー生地に 不透明なスラットが挟まれている |
採光操作 | いつでも可能 | 生地を一番下に降ろした時のみ |
調光方法 | 2枚の生地の重なり具合で調整 | スラットの傾きで調整 |
採光 | 不透明生地によってボーダー柄になる | 傾きを調節することでスラットを目立たなくできる |
立体式調光ロールスクリーンの魅力
立体調光ロールスクリーンに映し出される、ゼブラ調のシルエット。
ソフトタッチで描かれる光の表情は、唯一無二の個性を窓辺に演出してくれることでしょう。
この章では、立体式調光ロールスクリーンの魅力を余すことなくご紹介致します。
スタイリッシュさと柔らかさを両立したデザイン
ブラインドのような水平ラインと、ファブリック生地ならではの柔らかさを兼ね備える立体調光ロールスクリーン。
スライド式調光ロールスクリーンのようなコントラストの強い水平ラインではなく、淡くすっきりとしたラインが映し出されます。
立体調光ロールスクリーンは、海外インテリアのように品良く洗練された印象を窓辺に与えてくれることでしょう。
映し出される繊細で柔らかな陰影
立体調光ロールスクリーンはシースルー生地が2枚重なっているため、直射日光よりも淡い光となって室内に差し込みます。
また、不透明生地もシースルー生地に挟まれているため、ボーダーラインも通常の調光ロールスクリーンに比べて柔らかいです。
室内に映し出される影までもが優しく、温かみのある空間にそっと馴染みます。
シースルー生地がたっぷりと光を取り込み、室内を明るく開放的に演出してくれるでしょう。
細かく光をコントロールできる
立体調光ロールスクリーンは、ブラインドのように細やかに調光できる点もメリットです。
中心のシースルー生地の角度を調節することで、室内に入り込む光の量を自在に調整いただけます。
水平に差し込む西日など、角度のある日差しを遮ることも可能です。
インテリアへの関心の高いヨーロッパでは、小窓に日差しを取り込むために使用されています。
他の窓周り品と調和する
立体調光ロールスクリーンは他の窓周り品とも調和しやすいです。
- 『ブラインド』のような調光性と水平デザイン
- 生地を垂直に閉じれば『ロールスクリーン』のようにフラットなシルエット
- 『カーテン』のように柔らかなファブリック生地
立体調光ロールスクリーンは他の窓周り品との共通点が多いため、組み合わせて使用しても自然に馴染みます。
複数の窓があるリビングなど、他の窓周り品と併用したいときにも活躍してくれることでしょう。
ブラインドと合わせれば洗練されたモダンな雰囲気に。
カーテンと合わせれば、柔らかな印象に。
立体調光ロールスクリーンとなら、窓周り品の持つ個性を活かしたトータルコーディネートが叶います。
立体式調光ロールスクリーンのデメリット
立体調光ロールスクリーンが醸し出す柔らかな光の表情は、他の窓周り品では味わえない魅力です。
一方で、カーテンやロールスクリーンなど他の窓周り品と操作性が異なる部分もあります。
カーテンと同じ要領で使用できるつもりでいてしまうと、購入後に後悔してしまうかもしれません。
この章では、立体調光ロールスクリーンの注意点とデメリットをご紹介します。
光漏れが発生する
立体調光ロールスクリーンは、完全な遮光は難しいです。
不透明生地を閉じた状態であっても、生地の重なり部分の隙間から光が漏れてしまいます。
日中に室内を暗くしておきたいシアタールームなど、高い遮光性を求められるお部屋の窓には不向きです。
生地を降ろした状態で調光する必要がある
多くの立体調光ロールスクリーンは、不透明生地が閉じた状態となっています。
不透明生地の角度を調整するときは、生地を完全に降ろして操作しなければなりません。
通常タイプの調光ロールスクリーンのように、生地を降ろす途中で調光が行えないためご注意ください。
余談にはなりますが、立体調光ロールスクリーンが普及しているヨーロッパでは、日当たりの良い小窓に設置されることが多いようです。
日差しを防ぐために基本は生地の開閉操作は行わず、羽根の傾きのみを調節。日光を効果的に室内に取り入れるために使用されています。
外から見える?
立体調光ロールスクリーンは外から室内が見えてしまうのでは?と心配な方もいるでしょう。
日中であれば2枚のシースルー生地が遮像効果を発揮し、外からの視線を遮ることが可能です。
しかし夜は室内の方が明るいため、シースルー生地のみで使用すると室内が透けて見えてしまいます。
夜は不透明生地を閉じ、外から見えない状態にしてご使用ください。
価格設定は高め
立体調光ロールスクリーンは価格が高いこともデメリットとして挙げられます。
その理由は、多くの生地を使用しているためです。
シースルー生地2枚と不透明生地の3層構造になっている立体調光ロールスクリーンは、1層のロールスクリーンや、2層の調光ロールスクリーンに比べて生地を多く使用しています。
また構造も複雑なため、他のロールスクリーンに比べると費用が高くなりやすいです。
おすすめの立体調光ロールスクリーン
最後に当店FROM FLOORおすすめの立体調光ロールスクリーンをご紹介します。
当店の立体調光ロールスクリーンは、スタンダード生地とハイグレード生地の2種類をご用意しています。
サンプルの無料配送も承っておりますの、ぜひ実物に触れてテクスチャの違いを感じてみてください。
【LIFE JOIN+シリーズ】 立体調光ロールスクリーン スタンダード生地
光沢のある不透明生地と、ざっくりとした表情のシースルー生地を使用したスタンダード生地タイプ。
シースルー生地は天然素材のネップのように豊かな表情。
不透明生地の上に重なると上品な窓辺に、シースルー生地のみの状態だとナチュラルな雰囲気を演出します。
【LIFE JOIN+シリーズ】立体調光ロールスクリーン ハイグレード生地
きめ細やかなシースルー生地と、繊細な光沢を放つスラットを使用したハイグレード生地タイプ。
見えにくさを生じさせるような眩しさ(グレア現象)を軽減する、ビスコース風のシースルー生地が使用されています。
2枚の生地を重ねれば、レースをあしらったドレスのようにラグジュアリーな空間を演出してくれることでしょう。
本記事のまとめ
本記事では立体調光ロールスクリーンについて解説いたしました。
立体調光ロールスクリーンとは、2枚のシースルー生地の間に遮像生地が設置された立体構造の調光ロールスクリーンのことです。
シースルー生地と遮像生地の重なり具合によって、調光や眺望をコントロールすることができます。
ロールスクリーンやカーテンのように柔らかな雰囲気でありながら、ブラインドのように細やかに調光できるのがメリット。
レース生地が2枚重なっているため、採光時もプライバシーをしっかり守ってくれます。
夜はレース生地のみだと室内が透けて見えてしまうため、遮像生地を閉じてご使用ください。